Q-1 どのような症状が見られますか?

女性の場合

  帯下増量感や不正出血が一般的である。男性に比べ、無症状であることが多い。その

 為、潜伏期間は判然としない。オーラルセックスの増加により、淋菌が咽頭から検出され 

 る症例が増加している。性器淋菌感染症患者の10-30%に咽頭からも淋菌が検出される。

  重症例では尿道炎や骨盤腹膜炎・肝周囲炎を発症することもあり、稀に淋菌の菌血症か

 ら全身に散布する播種性淋菌感染症も引き起こす場合がある。

男性の場合

  感染後2-7日の潜伏期間の後、淋菌性尿道炎の症状である排尿痛、尿道分泌物が出現す

 る。分泌物は多量、黄白色、膿性で、淋菌性尿道炎の特徴的である。淋菌性尿道炎が治療

 されないと精巣上体炎へと発展し、陰嚢腫大、歩行時の局所疼痛を来たすこともある。後 

 遺症として無精子症を生じる事もある。

Q-2 感染経路について教えて下さい

 淋菌は、高温にも低音にも弱く通常の環境では生存することが出来ないため、性感染症として人から人へ感染するのが主な感染経路です。

 1回の性行為による感染伝達率は30%程度と考えられています。

 女性の場合、稀に産道感染により新生児に結膜炎を起こす事があります。

Q-3 治療について教えて下さい

 内服薬に対する耐性率が80%と高く、点滴注射剤が第一選択となります。

 抗菌薬投与後、3日以上開けて、治癒判定を行う必要があります。

 ピンポン感染(性行為により、性行為感染症を互いにうつし合うこと)を防ぐことが必要です。パートナーが治癒していなければ、せっかく治っても、またうつされてしまいます。必ずパートナーとともに同時期、同期間の治療を行いましょう。